西日本豪雨災害からの復興への感謝。真備町の新銘菓「マビレーヌ」開発への挑戦

当店は2013年の開店以来、スタンダードな食パンからこだわりの調理パンまで幅広いラインナップの商品をひとつひとつ丁寧に作りご提供させていただいております。ありがたいことに地元真備町の方を中心にたくさんのお客様にご来店いただき、順調な経営を行うことができていました。
しかし、売り上げも順調に伸び会社としても新たな展開も考えていた2018年7月、西日本豪雨災害が発生しました。
当店がある岡山県倉敷市真備町は「水に沈んだ街」として全国ニュースでも何度も報道されたほど、西日本豪雨災害による激しい被害を受けた地域です。決壊した川の水が街全体を襲い、中心部に位置していた当店も天井近くまで浸水、店舗は全壊の被害を受けました。
被災し事業継続ができるかどうかも分からず途方に暮れていた中、私を助けてくれたのは自身も被害を受けた真備町の方たちでした。本当にたくさんの方のご支援をいただき、おかげをもちまして被災から1年後の2019年7月には店舗をリニューアルオープンすることができました。

このクラウドファンディングのプロジェクトは、被災からもういちど立ち上がることのできた私が、支援をいただいた沢山の方たちへの感謝の気持ちと真備町の復興への願いを込めて、これまでになかった真備町の銘菓「マビレーヌ」づくりに挑戦しようとするものです。
どうか温かい気持ちで皆様方のご協力をいただければ幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

真備町の新たな銘菓づくりへの挑戦

▼被災から復興まで
西日本豪雨災害の被災を受け店舗は全壊、それまでパートを含めて11名いた社員も一度やめていただき、店舗経営は文字通りゼロの状態に戻り、事業継続の可否すらわからない状況となってしまいました。個人で創業して以来店舗経営のことだけを考えてがむしゃらに走り続けてきたため、商工団体などにも加入しておらず情報も無い中、なんとか再建できないかとひとりで奮闘していましたがなかなか思うようにはいかず、先に進めない状況でした。
そんな中、同じ真備町の経営者の方に国の相談窓口の存在を教えていただき、すぐに相談にいきました。それまではとにかく店舗を早急に復旧することだけを考えていて、その具体的手段について相談しました。そこで相談を受けていただいた、自身も老舗醤油メーカーの4代目という経歴を持ちながら、国の支援窓口で地域の中小企業のサポートを行う中野コーディネーターより、現状街全体が甚大な被害を受け、地元の建設業者等もまずはインフラの復旧に集中し、個別の店舗の復旧は長期化することが予想され、短期での再開を目指すなら仮設店舗での営業を行ってはどうかとのアドバイスを受けました。仮設店舗の具体的なプランや、パンを製造するための設備を貸していただける同業者とのマッチングまで包括的な支援をいただき、それまでひとりで悩んでいた時には全く目途がつかなかった事業再開に希望の道筋が見えるようになりました。

被災から約2か月後の9月19日、コンテナハウスでの仮設店舗にて仮営業を再開しました。しかし、オープンはできたものの、真備町は災害により甚大な被害を受けていて、店舗や施設もまだまだ復旧できていない状況であったこと、そして何より被災により自宅が全損し、町外の仮設住宅などに移住せざるを得なくなった人たちが多くいたこともあり、本当にお客様に来ていただけるかという不安はありました。
しかし実際には私たちの想像を超える数のお客様が来店してくださり。再開からほどなくして1日平均600個のパンを売り上げることができるようになりました。たくさんの方の気持ちが本当にありがたく、感謝の気持ちで胸が溢れました。

▼復興から新たな挑戦
仮店舗にて営業再開をしてからおかげをもって多くのお客様に訪れていただけるようになりました。来店いただくお客様は従来の常連の方だけではなく、当店をこれまで知らなかった方や、真備町や近隣の地域以外の遠方からお越しいただく方も増えました。そのような新規のお客様からは当店の定番商品だけではなく真備町の特産物などを使った商品はないですかといった要望もあるのですが、現状当店ではそのような商品はありません。元々真備町にはいわゆるお土産物のようなものについては、一部工芸品ではあるものの、食品についてはありません。
災害がきっかけではあるものの真備町を知っていただき、真備町のお土産を求めてくださる方に何かの形でお答えしたいという気持ちはあったのですが、当店もまだ仮設店舗で営業している中、新たな取り組みを考えるまでには中々至らず、そのままとなっていました。

本格的な営業再開の目途が立ち、それに向けて邁進している中で、以前来店されたお客様に言われた真備町の名物となるお菓子について考えるようになりました。
お客様からのニーズがあったこともありますが、自身の復旧においてたくさんの地域の方の助けをいただいた真備町のために少しでも貢献できることがあるならば取り組んでいきたいという想いが強くなってきたこともあります。
災害から1年が経過し被災を受けた街の機能は大分復旧してきました。工場や商業店舗についても従前の規模で再開しているところも多くあります。しかし、この街に住んでいる人の数は大きく減ってしまいました。一番被害が甚大だった場所は天井まで浸水し、施設や住居が軒並み全壊となってしまっています。復旧に時間がかかるという理由だけではなく、また起こるかもしれないという災害への不安から真備町から転居した方もいます。真備町は都市部の中心市街地ではありません。人が少なくなってしまったことによる印象は昼間の街の賑わいよりも夜の街のあかりに感じます。人がいなくなりあかりが灯らなくなってしまった街は暗く寂しい印象を受けます。もちろん私一人の力でこの街にもう一度あかりを灯すことができるとは思っていませんが、そのきっかけの一端を私が担うことができればと思い、新製品の開発に本格的に取り組むこととしました。

▼新銘菓「マビレーヌ」開発
私が復興への願いを込めて新たに作るのは、これまでになかった真備町の銘菓です。被災の地として全国の皆様に知られることとなってしまった真備町ですが、本来は美しい竹林の街として地元では知られていて、その竹林でとれるタケノコが特産物として有名です。

お土産物としての制作イメージを色々と考えましたが、やはり真備町といえばタケノコを外すことはできないと思い、新しい取り組みではタケノコを使った銘菓を作ることにしました。
具体的な製品を何にするか考える中で、お菓子の中でも比較的パンの製造に近い焼き菓子を検討していました。そしてまずひとつは、これまでの商品でも作っていたクッキーを考えました。これまでのノウハウを活かしながら新たな設備を導入し、タケノコの形のクッキーを作ることでひとつ真備町の新銘菓とすることとしました。しかしクッキー自体は以前から商品としてあったため、自分の中でそれだけではインパクトに欠けるという想いがありほかに何かないかと模索していた時にたまたまマドレーヌを見かけました。その時に自分の中でマドレーヌの色や形がぴったりとマッチし、さらにその語感から「マビレーヌ」という商品名が瞬間的に閃いたことからインスピレーションを重視してタケノコを使ったマドレーヌ、「マビレーヌ」を作ることを決めました。

マドレーヌは作ったことがないため、東京の人気店などから取り寄せて研究してみました。さらに、制作イメージをより固めていくためにサンプル模型と樹脂の型を作り、具体的な試作も行いました。さらに製品のクオリティーを高めるために金属製の焼き型を特注で造ることにしました。この金型は納期が12月以降となるため、その間にレシピ開発やパッケージ開発などを行います。

以上の経緯で真備町の新たな銘菓としてタケノコクッキーと「マビレーヌ」を開発していくこととしました。

元々新たな銘菓づくりについては自分で実行するつもりで、設備や金型製作にかかる資金についても自分で算段しようと思っていましたが、仮店舗オープンの際に相談していた中野さんに今回の取り組みについて話したところ、それならばクラウドファンディングを活用してみたらどうかというアドバイスをいただきました。さらに岡山県中小企業団体中央会が岡山県からの委託を受けて実施している事業である「岡山ふるさと投資応援事業」について紹介され話を聞いてみたところ、クラウドファンディングを活用することでより多くの人にこの取り組みを知ってもらうことができると感じ実行を決意しました。

真備の新銘菓「マビレーヌ」づくりに挑戦します

岡山県倉敷市真備町にてパンの製造・小売りを行う「pain porte(パンポルト)」の代表、戸澤実と申します。

今回のプロジェクトを実行しようと思ったきっかけは、私が店舗を再開することができたという復興への感謝と真備町のこれからの復興の一端を担うことができれという想いでした。これまでも本当にたくさんの方のご支援をいただいてきましたが、クラウドファンディングを実施することでさらに皆様方にご支援をお願いすることになってしまします。
しかし、災害から1年以上経過した現在でもまだまだ真備町には復興のための取り組みが必要です。そのような中私ひとりの力では成し得ないこともたくさんあります。私もこの銘菓づくりによって自社で大きな利益を得ようと考えているわけではありません。この取り組みによって例えば地域の雇用を少しでも増やすことができればなど、この真備町の発展を願っています。

重ね重ねのお願いになってしまいますが、どうか皆様もこの取り組みをご理解いただきご支援いただきますようお願いさせていただくことで最後の言葉とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

代表・戸澤実

リターンについて

【¥3,000のリターン】”マビレーヌ”と当店オリジナルラスクの詰め合わせセット
マビレーヌ(6個)、オリジナルラスク(1パック)

【¥6,000のリターン】”タケノコクッキー”と当店オリジナルTシャツのセット
タケノコクッキー(1箱)、当店オリジナルTシャツ(サイズは、S、M、Lから選択)

【¥10,000のリターン】当店のこだわり”シュトーレン”づくり教室&”マビレーヌセット”
12/10(火)シュトレンづくり教室への参加券、マビレーヌ(6個)、オリジナルラスク(1パック)

【¥10,000のリターン】当店のこだわり”シュトーレン”づくり教室&”マビレーヌセット”
12/15(日)シュトレンづくり教室への参加券、マビレーヌ(6個)、オリジナルラスク(1パック)